おしらせ(全ての方へ)

【おしらせ】 8/9 東本願寺が要望書をだしました

自由民主党の杉田水脈衆議院議員の寄稿文に関し、本日、解放運動推進本部長名による要望書を、安倍晋三内閣総理大臣・自由民主党総裁宛てに提出いたしました。

内閣総理大臣
自由民主党総裁  安倍 晋三 様

すべての人びとが共に尊重し合い、認め合うことができる
社会の実現に向けた要望書

自由民主党の杉田水脈衆議院議員が『新潮45』8月号に寄稿した論文「『LGBT』支援の度が過ぎる」において、「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり、『生産性』がないのです」と主張しています。これは、差別や偏見に苦しみ、社会的制約を抱える性的少数者の状況を全く考慮していない見解です。学校や職場、医療・福祉の現場等に目を向けますと差別は明らかに存在しています。
本来、人間の存在は「生産性」という視点で評価されるべきものではありません。今回の杉田氏の意見は、性的少数者に対する差別です。同時に、結婚や出産という私的領域に踏み込んだ容認できない発言であると言わねばなりません。生まれた境遇や性別、社会的身分等にかかわらず、あらゆる人びとは皆平等に、かけがえのない尊いいのちを生きることを願われる存在であります。
「生産性」という基準により人間に優劣をつけることは、基本的人権を否定することであり、優生思想とも無関係ではありません。そのため、「生産性」という一方的な視点で人間を価値づける今回の発言について、私たちは看過することはできません。
以上、今回の発言が内包する問題性を真摯に受け止められ、すべての人びとが共に尊重し合い、認め合うことができる社会を実現すべく、誠実な取り組みが進められますよう要望いたします。

 2018年8月9日

真宗大谷派解放運動推進本部長  草野 龍子

東本願寺ホームページ