教区教化委員会

【レポート】 邑久光明園交流会(教区教化委員会社会問題ハンセン病療養所交流部会)

2018年5月7日、小雨の降る中、邑久光明園での交流会に参加しました。

 法話は藤本浩之氏(第4組誓福寺)。名前を名告ることの大切さについてお話されました。
「子どもの頃、とある事情で本名と違う名前で呼び育てられました。自分自身もその名前が自分だと思って過ごしてきました。しかし、本当の名前を告げられた時に、いままでの自分は何だったのかと思うぐらい悩みました。それから、ある意味自分を取り戻そうと積極的に本名を名告りました。
名を奪われるということは、過去も奪われて、この先も悲しみを抱えながら、現在を生きなければなりません。仏教の救いは三世の救いです。英語で現在のことをプレゼントというそうです。いつも現在は、過去から未来から届けられた贈りもの。名前を名告るということは、現在の自分を取り戻すことです。」
 園の中で、本名を名告られてない方も多くおられます。入所時に名前を変えさせることで、故郷の思い出を分断し、家族に迷惑のかからないようにと思い込ませた方策。もう何十年も園名で生きてこられたから変えないという方もおられます。でもそれは、本当は名告らせなかった国と国民の大きな罪であると思います。
長島愛生園の方で、交流会の時に本名を名告られた方がおられました。自分の名前を名告られる時、過去の自分を取り戻そうという想いがひしひしと伝わり鳥肌が立ったことを覚えています。

(広報・情報発信部門 松岡 彰)