2017年6月20日、山陽教区同朋会館にて山陽教区教誨師会・保護司会主催の合同公開研修会が行われた。講師にNPO法人 ギャンブル依存ファミリーセンター ホープヒル代表 アディクションカウンセラーの町田政明氏を迎え、「ギャンブル依存症と回復」との講題でお話いただいた。
まずギャンブル依存症というものが社会的に誤解や偏見にまみれて認知されていることから、「否認の病気」「意志のコントロールがきかなくなる」「周りを巻き込んでいく」など、実際の症状から、「人間関係の病である」として回復がどれだけ困難な病気であるかを提示され、世の中も家族も本人でさえもこの病気を甘く見ているということを指摘された。
それからAA(アルコール依存症の会)・GA(ギャンブル依存症の会)・断酒会などの自助グループを紹介され、どのような回復プログラムが行われているのか、また医療機関が回復に介在することで商売化されていくなど回復過程での問題点を挙げられた。さらにはなぜこのような病が起こってくるのかという原因過程を掘り下げられ、親の期待は条件付きの愛情、本当に愛されるとはどういうことなのかという問題提起から、社会や家庭の中に潜む世代を超えたストレスの蓄積が怒りや恨みとなって表面化していくという深層的な原因を私たちが抱えていることを教示された。
講義中、参加者の一人ひとりにマイクを向けて質問していくといったスタイルで参加者もより集中して聴講し、質疑も非常に充実していた。誰にでもいつでも起こりうる病として見過ごすことのできない大きな問いをいただく研修会となった。
西堀 秀行(真宗大谷派山陽教区教誨師/神戸組教泉寺)