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2023年度山陽教区 教区会・教区門徒会(通常会) 教務所長挨拶要旨

2023年度山陽教区 教区会・教区門徒会(通常会) 教務所長挨拶要旨

1 はじめに
 皆様には平素より同朋会運動推進並びに宗門・教区の運営にあたり、格別のご高配を賜っておりますこと衷心より御礼申しあげます。

 先立ちまして、本年5月5日に発生しました能登珠洲地方を中心とする地震により被災された皆様方、また今月発生しました九州地方や秋田県等を中心とする集中豪雨により被災された皆様方に、衷心よりお見舞いを申しあげます。

【教区お待ち受け大会 本山慶讃法要厳修御礼】
 本年3月10日にお迎えしました、山陽教区宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要お待ち受け大会 兼 姫路船場別院本徳寺 本徳寺創立五百年・船場本徳寺成立四百年・本堂建立三百年記念法要につきまして、大谷暢裕門首御親修のもと、教区の皆様方のご尽力により厳修できましたこと厚く御礼申しあげます。
 また、3月25日から4月29日まで勤まりました本山での慶讃法要、そして5月5日の「子どものつどいin東本願寺」において、各組にて団体参拝や個人参拝をご計画くださいましたこと重ねて御礼申しあげます。私はその時、阿弥陀堂並びに御影堂の堂内案内係の任に当たったのですが、史上初めての両堂同時の勤行の中、多くの方々とともに法要に遇いえた慶びは深く心に刻まれています。その一方、新型コロナの影響等により、様々な課題にも直面しました。慶びと課題、どちらも次の世代へと丁寧に繋げていかねばならないと感じていることでございます。 

2 中央宗務の方針と施策
【本廟を基(もとい)とする教団】
 木越宗務総長は、本山の慶讃法要を経た今、注視する一点として「足もとを明らかにする」。教わることがなければ気づくことのできない人間に向けての教えは「念仏申せ」であり、今こそ宗祖の教えに基づき「足もとを明らかにする」ことを今後の「要の課題」とする。そして、その「足もと」という問題は、『教行信証(坂東本)』によって問い直されるべきであり、常にお聖教に聞き尋ねていくことが基礎である、と述べられました。
 続けて、宗門の「これから」を考えるうえでどうしても押さえなければならないこととして、現実の教団と「真宗本廟」という点がある。あらゆる機会を通じて、「本廟を基とする教団」ということを確かめ直す、そこに「同朋会運動の必然性」が受け取られる。この四半世紀において、私たちには3つの大法要を経験した「責任と使命」がある。1998年の蓮如上人御遠忌法要は「慙愧という課題」を、2011年の親鸞聖人御遠忌法要は「宗祖という宿題」を、そしてこのたびの慶讃法要は「師友との出遇いという機会」を、私どもに与えてくださった。これらの重大な節目に遇い得た一人として、宗門のこれからを背負っていくことが私たちの共なる使命である、と表明されました。

【2023年度の施策】
【1 慶讃事業の継続】
 新型コロナの影響により止むを得ず延期したもの、特に青少幼年関係事業や聖教編纂事業を中心に今年度から2025年度にわたる3ヵ年度計画にて継続実施してまいります。
【2「是旃陀羅」の課題】
 このたび、学習冊子『是旃陀羅問題について』が発行され、『真宗』8月号とともに全寺院に配布されました。本冊子は、今年度発行予定の『「是旃陀羅」問題学習テキスト』へのいざないとして作成されたものです。今後、「是旃陀羅」問題に関する取り組みを教区・組へ展開することを願いとした説明会が実施され、山陽教区においては、教区解放運動推進協議会を中心に、今年度公開説明会を開催予定です。
【3 宗務改革の推進】
 まず、昨年度設置された「行財政改革検討委員会」について、『真宗』8月号及び宗派HPに進捗報告が掲載され、今後の議論にあたり広く意見をお聞きすることを目的に、インターネットを活用した取り組みが展開されます。
 次に、門徒戸数調査につきましては、第4回調査へのご協力、誠にありがとうございました。組毎の各設問の数値並びに合計戸数・合計指数は教区内全寺院に公開し、寺院毎の合計戸数・合計指数は7月1日より教務所にて閲覧いただくことができます。
 そして、教区改編の取り組みにつきましては、長年に亘る関係者皆様のご尽力により、本年7月から、新潟・富山・小松大聖寺の新教区が誕生いたしております。
 山陽・四国教区においては、本年5月の教区改編地方協議会にて合意書が締結され、その後両教区の教区会並びに教区門徒会において新教区の基本設計たる合意事項が全会一致で可決されました。そして、本年6月から山陽教区・四国教区新教区準備委員会が発足し、「組織」「教化」「財務」それぞれ専門的な内容を協議する機関としての小委員会が、またその協議事項を調整・整理する機関として常任委員会も併せて設置されるに至りました。今後、2025年7月からの「山陽四国」教区発足に向け、丁寧に協議を進めてまいりたく存じます。なお、協議の進捗については、適宜「教区改編通信」にて教区内にお知らせしてまいります。また、新教区を形づくる上において、両教区の皆様からたくさんのご意見をいただけるよう意見箱の設置等も検討してまいります。
 各位におかれましては、引き続き宗務改革の取り組みにご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげます。
【4 教勢調査】
 激変する社会において統計調査をより積極的に宗務に活かすため、また教団の「足もと」をつぶさに把握していく一環として、来年1月に実施を予定しております。
【5 宗務総長諮問機関「宗務審議会」】
 今年度は「別院の将来に関する課題」「大谷祖廟の総合整備に関する課題」の審議会設置を予定しており、いずれも「本廟を基とする教団」の重要事項として、その方向性を見定めるべく調査審議を進めてまいります。

【2023年度の御依頼割当】
 昨年1月、2023年度からの御依頼割当基準は、第4回門徒戸数調査結果によって得られた指数のみによって行うことが『真宗』誌にお
いて示されました。しかし、現下の宗務改革の進捗状況や第4回門徒戸数調査の現況に鑑みた時、現時点において総御依頼額の全額を門徒指数のみによって算出する新御依頼割当基準を適用することは、特に慎重を期すべきであると判断され、本年3月、改めて御依頼割当基準策定委員会が設置され、去る5月8日に答申が提出されました。その答申が尊重され、2023年度の御依頼割当基準については、当分の間従前の基準を踏襲することとなり、今後しかるべき時期に改めて御依頼割当基準の見直しをはかるべきであると判断されました。
【経常費御依頼などの減額措置】
 これまでの教区改編により成し遂げられた経費削減並びに長期にわたる新型コロナの影響による全国の寺院・教会の運営状況に鑑み、総額2億3,500万円の減額措置が講じられました。現下の厳しい財政状況にあって、宗務機関挙げて歳出抑制に尽くしてまいりましたが、事業を円滑に展開するうえで、これ以上の減額措置は困難でありますことをご理解いただきたくお願い申しあげます。

3 教区教化について
【2023年度教化方針】
 今年度は、新たな教化委員会体制となって3期目のスタートとなります。前期では、新型コロナの影響により研修会や会議などが十分に実施できない中、オンラインを活用することで、今後の教化活動の可能性を見出すことができました。
 引き続き、教区教化テーマ「創造と回復―温もりのあるお寺をともに!―」のもと、「人の誕生」「場の創造」として「共に集い・聞き・語る、聞法の道場として本堂を開き、人のつながりと温もりのあるお寺の回復」の具現化に向け、あらゆる施策を講じてまいります。
また、第6期山陽真宗学院は2年度目となります。より充実した教師養成の場を開いてまいります。

4 教区慶讃事業について
 次の世代に本願念仏の教えを受け継いでいくという慶讃事業の願いとその歩みを教区で確かめる場として、2023年度から2025年度の間に教区慶讃法要の執行を、ただし教区の事情によって3カ年度内に執行出来ない場合は2025年度中に法要にかかる詳細を機関決定いただきたい、との宗派方針がこのたび示されました。
 山陽教区における慶讃お待ち受けの取り組みは、教区慶讃事業委員会が所管し実施してまいりましたが、同委員会については、本山慶讃法要円成により所期の目的を達成したため、上記の宗派方針に関わらず、今教区会・教区門徒会(通常会)の議決をもって委員会を廃止いたしました。よって山陽教区の慶讃法要については、今後法要の素案や運営機関の設置について、教区改編を見据え、改めて教区会参事会並びに教区門徒会常任委員会を中心にご相談してまいりたいと考えております。
 ちなみに四国教区においては、各組巡回にて実施の教区同朋大会と併せ、現四国教区における節目として、土佐別院を会場に教区慶讃法要を厳修する方向で計画がなされていると聞き及んでおります。よって教区改編を念頭に、四国教区の動向も見据えながら山陽教区としての動きを進めてまいります。
 その上で、教区慶讃事業委員会の廃止と共に、このたび教区慶讃事業特別会計を閉鎖するにあたり、その剰余金については、教区慶讃法要を見据え、その原資として教区慶讃運用資金に繰り入れるべく、運用資金規程の一部改正と併せて今通常会にて議決されました。
 なお、特別会計設置当初より、最終年度の決算に剰余を生じた場合、教区慶讃記念事業として設置した、教区内若手僧侶の法話者育成機関たる「聞法伝道塾」の将来的な運営資金とする方向性が表明されております。そのことも念頭に置きながら、今後の資金運用について慎重に進めてまいります。
 さて、2021年度に開設された「聞法伝道塾」ですが、2022年から第1期がスタートし、去る7月1・2日の真宗本廟奉仕をもって、すべてのカリキュラムを修了いたしました。今後修了生10名には、更なる聞法研鑚に努め、教区・組・寺院における法話伝道にご活躍いただくことを願っております。教区内の皆様におかれましても、積極的に研鑚の場をお開きいただきますよう、お力添え、お声がけを宜しくお願いいたします。なお第2期については、聞法伝道塾運営委員会の議を経て開設に向け準備を進めており、今年度中に募集を行う予定であります。

5 財務について
【2022年度宗派経常費御依頼等収納報告
及び2023年度経常費御依頼】
 昨年度宗派経常費御依頼については、厳しい経済状況に加え、新型コロナの影響が長引いている中にあって、各位の篤い法義相続・本廟護持のご懇念により249カ寺への御依頼に対し、244カ寺の御寺院よりご完納いただき、教区御依頼額を完納することができました。ここに深く感謝並びに御礼を申しあげます。
 また、慶讃懇志金につきましては、昨年度募財期間が終了し、総額8,214万2,110円、総御依頼額に対し102.4%のご進納をいただきました。249カ寺への御依頼に対し、234カ寺の御寺院より総御依頼額をご完納いただきましたこと、ここに重ねて感謝並びに御礼を申しあげます。
 今年度については、全国20教区へ昨年度に比し4,166万増の50億2,400万円、山陽教区へは、1億3,845万円が御依頼されました。昨年度に比し170万円の増です。依然として厳しい社会状況が続く中ではございますが、全寺院においてご完納賜りますよう何卒宜しくお願い申しあげます。

【教区の財務】
 今年度の教区事業費会計は5,250万円で編成し、昨年度に比べ54万円の減額となりました。
 教化事業につきましては、今年度より教化委員会が新体制となり、前期の願いを受け継ぎ、教えの場を開く取り組みを続けてまいります。本年度の教区費につきましては、昨年度と同額の896万8,000円を御依頼させていただきたく、お願い申しあげます。

6 姫路船場別院本徳寺の御修復について
 姫路船場別院本徳寺宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌の記念事業であります御修復につきましては、この7月から約2年をかけて第2工事として表門及び築地塀の御修復工事を着工すべく、本年7月24日に起工式を執り行う運びであります。また、その後第3工事として本堂の御修復に着手してまいります。
 この御遠忌・御修復にかかる特別募財につきましては、崇敬組に対し、2025年度までの8ヵ年で6億6,550万円を御依頼いたし、本年6月末現在で5億196万5,807円、率にして75.4%のご収納を賜っております。
 また、崇敬組以外の寺院・門徒及び一般の方々からの一般懇志につきましては、1億5,700万円の目標額に対し、1億3,579万円のご収納を賜っております。
 本事業の完遂に向けて、何卒深いご理解をいただき、特別募財並びに一般懇志のご進納を賜りますようお願い申しあげます。

 何卒、今年度も種々ご協力をいただきますようお願い申しあげまして、年度始めにあたってのご挨拶とさせていただきます。