特別リレーコラム

【教区教化テーマ】についてのリレーコラムVol.1

お寺の子ども会をしていると、「どんな子にとってもここがその子の居場所に」という願いと、「そうできない自分」に悩むことがある。ふとしたときに、やんちゃな子に対して「もうちょっとどうにかならないかな…」と思ってしまい、落ち込んだりもする。
 あるとき、同じくお寺での子ども会を開いている友人が、来てくれていた中学生と本気で喧嘩をしてしまったことがあると話してくれた。それまでの積もり積もったものが爆発して、「お前なんか二度と来るな」とまで言ってしまったらしい。ただ、ふと冷静になれた瞬間があり、「俺はお前を受け入れられないけれど、それでもここは誰でもがそのままで居ていい場所なんだ。だからまたおいで」と伝えたのだそうだ。
 その話を聞いて、それまでは自分がどんな相手でも受け入れられるものにならなければいけないと考え、しんどさを感じていたことに気付かされた。そして、そうなれなくても、そうなれないからこそ、誰もが受け入れられる世界を求めるものとして「ともに」出遇っていける在り方を考えさせられた。
 他でもない私が何に悩み、何を求めて生きるのかというところから、年齢や立場を超えて「ともに」なれる関係性をたずねていきたい。
〔教化推進本部員 木村 慎(第4組興宗寺)〕