2018年6月6日、山陽教区解放運動推進協議会主催の現地研修でたつの市の皮革工場を見学しました。

ふだん何気なく使用している財布、ベルト、革靴などの装飾品は、さまざまな工程を経てできあがっている事を教えていただきました。

全国の牛革のおよそ7割が兵庫県でなめされたもので、その4割がたつの市で生産されているそうです。

その工場の社長さんに1時間半におよび、丁寧に説明していただきました。使用している牛革は、黒毛の肉牛や乳牛のホルスタインが半々だそうです。積み上げられた、黒毛の生皮や、白と黒の斑点のあるホルスタインの生皮は「原皮」というそうです。生々しい姿に少し驚きました。

 

  毛を剥いだり、洗浄したりなどの工程で使用する水は一頭につき約2トンだそうです。その後、クロム化合物のなめし剤を皮に馴染ませ、皮を柔らかく、しなやかにさせる「クロムなめし」という工程があります。(大きなドラム洗濯機の様な機械でなめします。)

 

次に、皮を染める工程です。これまで皮革の本来の色だと思っていた茶色は、実は茶色に染めているそうです。世に出ている皮の色は全部染められていたと初めて知りました。

  見学中、作業されていた方が丁寧に色々と教えてくれました。もしかすると、職人さんからは、招かれざる客と思われてるのではないかと心配していましたが、笑顔で対応してくださいました。

 

次に、3階の最上階で、濡れた皮を乾燥させます。晴れている日は夕方までには乾くそうです。しかし、それから表面の塗装、コーティング、アイロンなど多くの作業を経てようやく生地としての革ができあがります。完成した革は、高級感があり、とてもいい香りでした。

  あとはメーカーへ卸し、製品へと加工されますが、皮革工場には有名ブランドのカバンが見本であり、購買意欲をかきたてられました。

 

午後からは、たつの市の人権推進課をはじめ、地区推進員の方々と交流の場をもちました。地区推進員の方のお話で、「皮革工場は、3Kといわれ、自らも仕事のことを無意識的に他人に隠すようにしてきた。しかし、ある方に恥ずべきことではないと教えられて気づかされ、今は誇りに思っている。」と、仰っておられました。私自身も見学させていただき、働く方、一人ひとりが誇りを持ってお仕事をされておられることを感じました。

『歎異抄』に、

「うみかわに、あみをひき、つりをして、世をわたるものも、野やまに、ししをかり、とりをとりて、いのちをつぐともがらも、あきないをもし、田畠をつくりてすぐるひとも、ただおなじことなり」

とあります。

私たちは誰もが生活のための手段として、自分に与えられた仕事をしています。しかし、ただ生活の為だけではなく、そこに誇りを持てば、その姿は生き生きと輝いて見えるのではないでしょうか。私自身も僧侶という役割に誇りを持って生きたいと感じさせてもらいました。

(教区解放運動推進協議会 会長 松岡彰)