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今年は、らい予防法廃止から二十年、そして宗門が「ハンセン病に関わる真宗大谷派の謝罪声明」からも二十年目の年である。四月十九日から二十一日にかけて、第十回真宗大谷派ハンセン病問題全国交流集会が「私たちの歩み そこには人がいる」をテーマに開催された。全国のハンセン病回復者をはじめ、韓国と台湾からもお越しいただいき、計三〇〇名にもなる会となった。

初日の十九日は姫路船場別院本徳寺並びに山陽教区同朋会館(姫路)を会場として開会式、記念講演、ウェルカムパーティーが行われた。開会式では里雄康意宗務総長より「生きた教えの場」としての交流集会の重要性が説かれた。また船場御坊幼稚園児による歓迎の歌も披露された。

 

 

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開会式後の徳田靖之氏(弁護士)による基調講演では、「当事者とは誰のことか―『らい予防法』廃止からの二十年を振り返って―」を講題として「当時の首相である小泉純一郎氏から国が非を認め謝罪をし、その政権が高い支持をもっていたのにも関わらず、今なお差別偏見が残っているのはどうしてなのか」「国民一人ひとりが加害者、被害者を超え当事者としてハンセン病を見ていかなければ」と、お話しいただいた。

ウェルカムパーティーでは教区の坊守会、有志の方の料理の提供もあり、会場に収まらないほどの参加者があった。久しぶりの友人に会う方、初めて顔を合わす方、など様々な交流が見受けられた。韓国、台湾からは十六日に起きた熊本地震への募金をいただき、熊本に住まわれる方や熊本にある菊池恵楓園に思いをはせた。

翌日の二十日は会場を邑久光明園並びに長島愛生園に移し、全体会、分科会、フィールドワークが行われた。全体会では、各療養所から代表の声をいただき、韓国、台湾の方からも療養所の現状を聞かせてもらった。また各療養所が行っている福島保養事業が、実行委員が作成したスライドショーにて報告された。分科会では「国家とハンセン病問題」「真宗大谷派山陽教区とハンセン病問題」「エンドオブライフケア」と三会場に分かれ、参加者がそれぞれ希望する会場で話を聞いた。フィールドワークでは資料展示室、監禁室、入所時に消毒風呂や持ち物検査が行われた「回春寮」、火葬場後であり胎児標本の遺骨が納めてある「しのびづか公園」を回った。

慰霊塔前

 

 

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最終日の二十一日は姫路船場別院本徳寺に戻り、「ハンセン病問題に関わる物故者法要」を勤修。法要に先立って玉光順正氏(山陽教区光明寺住職)から法話が行われ、「支援される人と支援する人の区別があってはならない」と先日の徳田先生の当事者意識の大切さの確認をした。その後の法要では「隔離の苦悩と悲しみの中に生涯を終えられていかれた方々、人権侵害に対して限りをつくして戦って亡くなっていかれた方々、ハンセン病に関わる総ての方々の願いに想いを馳せ」と表白を木曽修姫路船場別院本徳寺輪番が読みあげた。
最後に「山陽宣言」として、「私たち一人ひとりが橋となって、まだ遠い回復者の人々のふるさとや家族にも架けられるよう、療養所にとどまらず、あらゆる世界に橋を架けましょう。同じ過ちを繰り返すことなく、隔離ということを超えていく歩みを、今日ここからすすめてまいります。」と表明した。

私たち一人ひとりがハンセン病問題とこれからどう向き合っていくのか考えさせられる三日間であった。(施設交流部・山陽教区通信員 上岸祐介)