十月六日から七日にかけて、山陽教区秋安居が北野プラザ六甲荘(神戸市)にて開催され、約四十名が参加した。講師には田代俊孝氏(同朋大学教授)をお迎えし、「『唯信鈔文意』講讃−選択と唯信−」というテーマでお話をいただいた。

 はじめに、『唯信鈔文意』にみられる教義的展開では、本願・他力という宗祖親鸞聖人の視座が重要であると指摘され、ひとつの例として「選択」から「唯信」への展開が取り上げられた。

 親鸞聖人は聖覚法印の『唯信鈔』の第十七願理解から大きな示唆を受けたと強調したうえで、まず聖覚法印に関する最近の論点に触れ、次に法然上人『選択集』と聖覚法印『唯信鈔』を比較し、聖覚法印による第十七願の独自性が述べられた。諸仏の念仏行とする第十七願を明示することで、第十八願を自力として解釈できる曖昧さを排除し、「選択」本願から他力の信心たる「唯信」へ展開していることを説明された。

 また別の例として、念仏往生する際の「来迎」が、親鸞聖人により「摂取」として注解されるところにも、他力の視座があると話された。

 『唯信鈔文意』は教区の聖教学習会で継続的に学んでいるが、今回は学習会とは異なる方向からの新たな学びであった。講義後の活発な質疑応答は、ひとつの聖教を多面的に学んできたことの現れともいえる。聖教を学ぶことの深さを感じる場となった。(研修講座部員)